【美術解説】アレックス・グレイ「サイケデリック・アートの巨匠」

アレックス・グレイ/ Alex Grey

サイケデリック・アートの巨匠


概要


生年月日 1953年11月29日
国籍 アメリカ
表現媒体 絵画、彫刻、パフォーマンス、インスタレーション
ムーブメント ヴィジョナリー・アート、サイケデリック・アート
公式サイト https://www.alexgrey.com/

 アレックス・グレイ(1953年11月29日生まれ)はアメリカのヴィジョナリー・アーティスト。チベット密教実践者。グレイの表現方法は、パフォーマンス・アートをはじめ、インスタレーション、彫刻、ヴィジョナリー・アート、絵画など多岐にわたる。

 

 積分心理学研究所のインテグラル研究所のメンバーでもあり、認知自由と倫理センターの顧問でもあり、ウィズダム・ユニバーシティの芸術学部の委員長もつとめる。妻とアリソン・グレイは、ニューヨーク州ワッパースフォールズにあるビジョナリー・カルチャーを支援する神秘主義組織「聖なる鏡の礼拝堂」の共同創立者である。

 

 アレックス・グレイは、1953年11月29日に、アメリカのオハイオ州コロンバスのミドルクラスの家庭で生まれた。父はグラフィック・デザイナーで、幼少の頃からグレイは父親から絵の教育を受けた。子どもの頃のグレイは昆虫採集や庭に埋められた動物の死骸を掘り起こして収集することに熱中した。すでにこの頃から、後の彼の作品のテーマとなる死と輪廻転生の片鱗が見受けられる。

 

 971年から1973年の2年間、コロンバス美術大学に通い、ドロップアウトして、オハイオ州の塗装看板の仕事を始めるようになる。また同時期に1年ほどボストン美術学校に通い、そこで、コンセプチュアル・アーティストのジェイ・ジェロスラブや妻のアリソンと出会う。

 

この時代に神秘主義やヒッピー・カルチャーにハマりだすようになる。グレイとアリソンはLSDで一緒にトリップしはじめる。LSDやDTMなど各種の向精神薬を大量に摂取して、光と闇の狭間で目覚めるサイケデリックな表現が持ち味になる。

 

その後、グレイは5年間ハーバード医科大学に通い、医学教室の死体置き場で、死体の解剖実習に携わる。活動初期の1970年代には、出血儀式や妻アリソンとの公開セックス儀式、ネズミの首切り技師などのパフォーマンスを行った。

 

1976年、万物エネルギーをひとつに結ぶシンメトリー構造の幻想に覚醒。以来、画家として宇宙愛エネルギーの解剖図と神秘学的解剖図を融合したサイケデリックなイメージの制作に熱中している。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Alex_Grey、2020年5月2日