サザビーズ・ニューヨークは2023年5月18日に開催されるオークションにおいて、奈良美智氏のキャンバス作品『春霞』の出品を発表しまた。
この作品は今回オークションの目玉として注目され、見積もり価格は12,000,000 - 18,000,000 米ドル(約24億円)に設定されています。
『春霞』は、奈良美智が描いた記念碑的な表現の一例であり、頭が大きく包帯を巻いた子供を描いています。この作品は、乳白色の湖に浸かっている激怒した不吉な表情の子どもが描かれています。子どもは顔に包帯を巻き、黄色のボタンが付いた青い服を着ています。
春霞(はるがすみ)は、冬から春になる温度差の激しいときに、空気中の水滴で遠くの景色が見えにくくなる現象のことで、日本で見られる自然現象です。
「ダンス」は、アンリ・マティスによって制作された油彩作品。1909年版「ダンス(Ⅰ)」と1910年版「ダンス(Ⅱ)」の2つの作品が一般的によく知られています。1909年版「ダンス(Ⅰ)」 はニューヨーク近代美術館、1910年版「ダンス(Ⅱ)」はロシアのエルミタージュ美術館が所蔵しています。
ほかに「ダンス」を基盤にしたいくつかよく似た作品があり、代表的なのは「生きる喜び」です。
画面上でダンスを行う人物たちの構図は、ウィリアム・ブレイク1786年の水彩絵画「Oberon, Titania and Puck with fairies dancing" 」を基盤にしています。
アンリ・マティスの「赤のアトリエ」に関する解説ページです。
「赤のアトリエ」はマティスの初期の集大成的な作品です。フォーヴィズム、印象派、後期印象派とこれまでマティスがたどってきた芸術スタイルを融合させた上で、海外旅行で見たさまざまな美術や文化的要素を上書きして表現しています。
パブロ・ピカソ、マルセル・デュシャン、アンディ・ウォーホル作品とならんで、全近代美術作品で最も影響力のある作品500の5位にランクインしています。
キャンバス全体を赤で占有した「赤のアトリエ」は、のちにマーク・ロスコやバーネット・ニューマンなどの抽象表現主義のカラーフィールド・ペインティングの作家たちに多大な影響を与えました。
『ピンクのアトリエ』は、1911年にアンリ・マティスによって制作された油彩作品であり、『赤のアトリエ』と同様の衝撃的な作品の1つです。床と壁に異なる強さのピンクカラーが使用され、質感によって強烈な印象を鑑賞者に与えます。緑と青が配置されることで、ピンクの豪華な輝きが強調されています。
『乳白色湖中』は、2012年に奈良美智が制作した油彩作品。奈良の芸術の成熟期を示す代表的な作品と評価されている。
よく知られている奈良の少女が細部にわたって丁寧に描かれているのが特徴で、パールがかった中間色の背景から緑のドレスを着たオレンジ色の髪の少女が、波打つ水たまりに足を浸して、両手を後ろに回し、浮かびあがっている。
この作品は、1995年に開催された初個展『「In the Deepest Puddle, In the Milky Lake」での主要なモチーフである。顔料を丹念に重ね、細部まで美しく描かれた少女の目は、絵画の魂であり、初期のいたずらっぽい視線から、後の夢見るような視線へと、画家が移行したことを明確に示している。
2023年のサザビーズ香港のオークションで8500万香港ドル(約14億4700万円)で落札された。
長井朋子(1982年愛知県生まれ)は日本の画家。2006年に愛知県立芸術大学を卒業したあと、おもに小山登美夫ギャラリーで個展を開催している。現在、愛知県豊橋市を拠点に制作活動を行う。海外では、ヴェネツィア・ビエンナーレ関連企画展の「Future Pass – From Asia to the World」や、ソウル、グルノーブル、ベルリンでのグループ展に参加。
長井朋子の作品は、繰り返し描かれる少女的なモチーフや、かわいらしい動物(特に猫と熊が多い)で構成された高密度のパステルカラーの空間が特徴。具象と抽象、平面性と立体性が入り乱れる。少女らしい長井独特の装飾的フレームも人気が高い。
愛知県出身の現代美術家、長井朋子は、80年代以降の日本の現代美術家の代表として注目されている。長井の作品は、演劇的な構図と重厚な色彩で「小さな世界」と呼ばれるファンタジー空間を表現しており、現代の目まぐるしい生活の中で多くの人々に愛されている。彼女の代表作である『フルーツポンチの休日』は、クリーム色の白、淡いブルー、柔らかいグリーンで、芽吹く風景を描いている。この作品は、2023年4月6日に香港のオークションで660,000香港ドル(約1100万円)で落札された。
『若い水夫Ⅱ』は、1906年にアンリ・マティスによって制作された油彩作品。フォーヴィスムで描かれた肖像画の代表的な作品の1つ。
この『若い水夫』の第2版では、マティスは第1版よりもシャープなエッジと明るくフラットな色彩で表現している。
ピンク、ブルー、クリーンの鮮やかな色彩で描かれた船乗りの表情は、遊び心にあふれたプリミティブなスタイルで、水夫の骨格は、歪んでおり、アングルと深い線の集合体で作られた仮面のようになっている。これは、マティスがアフリカ彫刻の影響を受けているためであろう。
『午後遅くにノートルダムを垣間見る』は、1902年にアンリ・マティスによって制作された油彩作品。暗い色合いが特徴的だが、1901年末から1903年末までは、マティスにとって個人的に憂鬱な時期で、マティスの暗黒時代と呼ばれている。
『ニースのインテリア』は、1919年から1920年にかけてアンリ・マティスが制作した油彩作品である。1917年以降、マティスは地中海沿岸のニースで冬を過ごすことが多くなり、ロココ調の建物である「オテル・メディテラネ」によく滞在していた。
「ニースのインテリア」は、このホテルを主題に制作された一連のシリーズで、また最も意欲的な作品の一つである。いずれの作品もこの頃にマティスは古典回帰していた写実的なスタイルで描かれているのが特徴的である。