君臨する女王たち / Reigning Queens
仮面のように描かれた女王たち

概要
作者 | アンディ・ウォーホル |
制作年 | 1985年 |
サイズ | 各39 3/8インチ x 31 1/2インチ |
メディウム | シルクスクリーン |
所蔵 | 個人蔵、ロイヤル・コレクション |
『君臨する女王たち』は、1985年にアンディ・ウォーホルによって制作されたシルクスクリーン作品。当時在位していた4人の女王の肖像画をそれぞれ4枚ずつ、計16枚のポートフォリオとして発表された。描かれたのは、U.Kのエリザベス2世女王、オランダのベアトリクス女王、スワジランドのヌトンビ、デンマークのマルグレーテ2世女王である。
また、通常版とは別に「ロイヤル・エディション」が別に30セット発行されている。ロイヤル・エディションでは、肖像画にはダイヤモンドダストまたは粉砕ガラスが塗装されているのが特徴だ。
テート・ギャラリーはこのダイヤモンドダストについて「きらびやかで贅沢な効果」であると評している。また、『タイム』誌は、ウォーホルが描いたエリザベス2世の肖像画について、「彼女を他の有名人と同じように扱い、時間と鮮やかな色彩の中で凍りつかせた」と評している。
エリザベス二世の肖像は、1977年にエリザベス二世の銀寿記念として発表された公式写真(1975年4月2日にウィンザー城でピーター・グルージョンによって撮影された)がもとになっている。
これについて、英国ロイヤル・コレクションは、「ウォーホルはグルージョンの写真を単純化し、仮面のような顔しか残らないようになっている。すべての個性は取り除かれ、私たちは王室の権力の象徴と向き合っている」と評している。
2012年、英国ロイヤル・コレクションが、ロイヤル・エディションの『君臨する女王たち』からエリザベス女王2世の4点のシルクスクリーンを入手した。このシルクスクリーンは、ロイヤル・コレクションで唯一、エリザベス女王が依頼しなかったものである。
