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【美術解説】ブレイクスルーのきっかけとなったバンクシーの初個展「Turf War(ターフ・ウォー)」

ターフ・ウォー / Turf War

ブレイクスルーのきっかけとなったバンクシーの初個展


概要


関連人物 バンクシー
制作年 2003年
場所 ロンドン、イーストエンド
関連ページ https://banksyunofficial.com/tag/banksy-turf-war/

「Turf War(ターフ・ウォー)」は2003年7月18日から20日にかけて3日間、ロンドンのイーストエンドのキングスランド・ロード沿いの倉庫で開催されたバンクシーの初個展である。展示場所は、開催前日まで明らかにされなかった。

 

多種多様な表現方法やテクニックで作品を展示している。特に注目を集めたのはサマセット農場から運び込まれた生きた牛や羊の体に直接ペインティングをした「BRANDALISM」作品。BRANDALISMとは家畜に焼印する「Branding」と破壊行為「Vandalism」を掛け合わせた造語である。

 

警察のカラーで染められた豚や、囚人服の縞模様が描かれた羊、アンディ・ウォーホルの顔が描かれた牛などが展示された。

 

『ザ・ニューヨーカー』誌は展示に対して「秘密の場所で上演されるバーナムショー的な光景」と表現し、なかでもエリザベス女王2世の肖像をチンパンジーに書き換えた作品に注目した。また、この展示ではヴァンダライズされた古典的な油絵も展示された。

 

また、この展示では修正された古典的な油絵も展示された。最も有名なのは「自爆テロリストには抱擁が必要」である。

 

「Turf War」はイギリスでのバンクシーの最初のギャラリーショーとして記録されることになった。

囚人服の縞模様が描かれた羊
囚人服の縞模様が描かれた羊
修正古典絵画『自爆テロリストには抱擁が必要』
修正古典絵画『自爆テロリストには抱擁が必要』
チンパンジーに書き換えられたエリザベス女王2世
チンパンジーに書き換えられたエリザベス女王2世

評価


バンクシーの伝記作家ウィル・エルズワース・ジョーンズは、「ターフ・ウォー」をバンクシーがブレイクスルーするきっかけとなった展示と評価している。Artnetはこの時期で「イギリスで最高で、最も短い期間の展覧会だったと話している。

 

生きた動物の体に絵を描いたこの展覧会は動物愛護団体による抗議を招いた。ある活動家は動物への虐待防止のため英国動物虐待防止協会が承認した展覧会にもかからず、ペインティングされた牛の周囲の手すりに自身の身体を鎖で縛り付けて抗議した。

 

また、イギリスで著名なタレントジェイミー・オリバーやBBCの番組キャスターサラ・コックスなどもバンクシーの作品を鑑賞するために会場へ足を運んだ。

 

展覧会の作品の一部は、2018年にスティーブ・ラザライドによって販売されました。

バンクシーの姿をとらえた展覧会


2019年7月、英テレビ局「ITV」のアーカイブからバンクシーらしき人物のインタビュー映像が発見され世界で話題になった。このインタビューは、バンクシーが2003年にロンドンで初めて開き、一躍有名になった展覧会「Turf war」前に行われたものである。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Turf_War_(Banksy)、2019年9月9日アクセス

https://banksyunofficial.com/tag/banksy-turf-war/、2019年9月9日アクセス