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【作品解説】クロード・モネ「庭園の女性たち」

庭園の女性たち / Women in the Garden

試行錯誤していた初期のモネの作品


クロード・モネ《庭園と女性たち》,1866年
クロード・モネ《庭園と女性たち》,1866年

概要


作者 クロード・モネ
制作年 1866年
サイズ 255 cm × 205 cm 
メディウム キャンバスに油彩
所蔵者 オルセー美術館

《庭園の女性たち》は、1866年にクロード・モネによって制作された油彩作品。26歳の初期作品で戸外で描かれた大作。

 

キャンバスのサイズが大きすぎたため、溝を掘ってそこにキャンバスをはめ込み、上半分を描く必要があった。それにより、モネは作品全体で単一の視点を維持することができたという。

 

舞台となっているのは、モネが借りていた家の庭で、モデルとなりポーズを撮っているのは、当時の恋人であり、のちに妻となるカミーユ・ドンシューである。

 

なお、モネは最終的に室内で作品を仕上げ、雑誌の挿絵から流行のファッションを描いていいる。

 

この頃のモネはキャリアが浅く、手法や題材を試行錯誤している時期であった。初期の作品はパリのサロンで成功を収めたが、《庭園の女性たち》は、1867年に主題と物語の弱さを理由に審査に落ちた。

 

また、サロンでは、のちに印象派の象徴となるモネの重厚な筆致が議論になった。審査員は「このままではいけないと考える若者が多すぎる。いま事彼らを守り、芸術を救うときだ!」と述べた。

 

その後、この作品は、経済的に困窮していたモネを支えるために、画家仲間のフレデリック・バジーユが購入した。

 

現在の絵の所有者であるオルセー美術館は「モネはドレスの白を巧みに表現し、構図の中にしっかりと固定している」とコメントしているが、モネ伝の著者クリストフ・ハインリッヒは、この絵に物足りなさに対して言及している。

 

たとえばm右側の女性が「服の下にトロッコがあり、乗っているかのように地面を滑っている」ため、人物像がうまく画面に溶け込んでいないという。

 

しかし、この絵の光と影の表現は高く評価されており、この点で、この作品はモネの芸術の進むべき道を示していたのかもしれない。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Women_in_the_Garden、2022年1月12日アクセス