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【美術解説】サルバドール・ダリ「ダリと映画」

ダリと映画

アンダルシアの犬


ダリは若いころから絵と同じくらい映画が好きで、日曜日にはいつも映画館に通いつめていた。

 

1929年に、ルイス・ブニュエルと共同で17分の無声映画「アンダルシアの犬」を制作。「アンダルシアの犬」はカミソリで人の眼球を引き裂く衝撃的なオープニングシーンで世界的に有名なシュルレアリスム映画である。「アンダルシアの犬」は、ダリとブニュエルが互いに夢で見た情景を元にして制作したという。

ヒッチコックへ多大な影響


ダリはアルフレッド・ヒッチコックに多大な影響を与えている。ダリの影響が濃く現れる代表的な映画は「白い恐怖」で、ヒッチコックによれば、ダリの作品は自分が映画の中で欲していたイメージにぴったりで、映画を作るさいに大変な助けとなったという。

ディズニーとコラボレーション


ダリはウォルト・ディズニーと短編アニメーション「運命」のコラボレーション映画を制作をしていた。1946年に制作が開始されたものの、戦争や資金運営難などのトラブルが生じて制作が中止。しかし、2003年にベーカー・ブラッドワースとウォルトの甥のロイ・E・ディズニーが中止になっていたプロジェクトを再開させ完成。インタラクティブなダリの作品とディズニーのキャラクターのアニメーションとなっている。

ホドロフスキー映画「Dune」に皇帝役で出演


1970年代に映画監督のアレハンドロ・ホドロフスキーは、フランク・ハーバートの小説を基盤にした映画「Dune」の制作で、皇帝役にダリを起用。

 

2013年のドキュメンタリー映画「ホドロフスキーのDune」によれば、ホドロフスキーはマンハッタンのセント・レジス・ホテル内のキング・コール・バーでダリと会い、役の話を行なった。

 

ダリは映画に関心を示したものの、ハリウッドで最高報酬の俳優を条件に出演交渉をする。ホドロフスキーは要求に応じて皇帝役にダリを起用し、1分間の出演で10万ドルのギャランティを支払う約束をした。

 

そのためダリの出演時間は数分のものとなったが、「Dune」のプロジェクトは未完成のまま公開されることはなかった。


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