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【作品解説】エゴン・シーレ「ホオズキと自画像」

ホオズキと自画像/ SELF-PORTRAIT WITH CHINESE LANTERN PLANT

自信のある最も有名なシーレの自画像


エゴン・シーレ《ホオズキと自画像》,1912年
エゴン・シーレ《ホオズキと自画像》,1912年

概要


作者 エゴン・シーレ
制作年 1912年
サイズ 322 x 398 cm
メディウム キャンバスに油彩
所蔵者 レオポルド美術館

《ホオズキと自画像》は、1912年にエゴン・シーレによって制作された油彩作品。レオポルド美術館に所蔵されている。ホオズキは英語で中国のランラン植物(CHINESE LANTERN PLANT)と記載される。

 

この自画像は、シーレ作品の中で最も人気のある作品のひとつであり、2023年東京都美術館で開催されたエゴン・シーレ展のメインビジュアルとして採用されている。本作はシーレが22歳、数多くの展覧会に参加していた時期に描かれたものである。

 

横長の画面にを押し込め、胸から下と髪を切り取っている。目線は下目使いで、頭は右を向いている。この反対のパターン、目線は上目使いで、顔は左を向いているも多くある

 

左側の葉をつけた小枝とホオヅキは、横顔と呼応しており、斜め気味の肩は、硬質な背景とわずかなコントラストを生み出している。

 

また、主要な形状の中の線も、この優れた構図と調和している。たとえば、右側の肩のラインは、顎の骨に続いている。シーレの色彩もまた、繊細なデッサンに匹敵するものである。

 

肌の豊かなニュアンスや、赤い瞳孔のある明るい瞳が印象的である。この肖像画でシーレは、繊細な人間であり芸術家である自分自身を描いたのである。

 

Wikipediaによれば、ホオズキ中国のランラン植物)有毒な植物として有名で、江戸時代には江戸時代には堕胎剤として利用されていた。日本でほおずきに「鬼灯」の字を当てるのは、盆に先祖が帰ってくるとき目印となる提灯の代わりとして飾られたことに由来し、死を意味する。

 

《家族》は、1918年10月31日にエゴン・シーレがスペイン風邪で亡くなる直前に描いた最後の油絵。シーレの妻エディスは、1918年10月28日になくなり、妊娠6ヶ月でスペイン風邪にかかり、子供は助からず、シーレ自身も3日後に同じ病気で亡くなった。