【作品解説】レオナルド・ダ・ヴィンチ「カーネーションの聖母」

カーネーションの聖母 / Madonna of the Carnation

レオナルド初期の聖母子像


《カーネーションの聖母》1478-1480年
《カーネーションの聖母》1478-1480年
作者 レオナルド・ダ・ヴィンチ
制作年 1478-1480年
サイズ 62 cm × 47.5 cm
メディウム パネルに油彩
所蔵者 アルテ・ピナコテーク美術館

《カーネションの聖母》は1478年から1480年ころにかけてレオナルド・ダ・ヴィンチによって制作された油彩作品。ドイツ、ミュンヘンにあるアルテ・ピナコテークが所蔵している。

 

《受胎告知》のすぐ後、ほぼ同時期に描かれた作品で、そのためか、2枚の絵のマリアはよく似ている。人物の表情や不安定な構図には、まだ稚拙が残る。

 

中心となるモチーフは、若い聖母マリアが赤ん坊のイエスを膝にのせて座っている姿である。マリアやイエスの顔には光が当たっているが、花やほかのすべての物体は対照的に暗い色で塗られ影のようになっている。

 

子どもは見上げており、母親は見下ろしているが、アイコンタクトはしていない。設定は人物の両側背景に2つの窓がある部屋である。

 

もともとこの絵はアンドレア・デル・ヴェロッキオにが制作したと考えられていたが、その後の美術史家たちは、レオナルドの作品であることに同意している。 聖母の髪、左手、カーテン、花はレオナルドの《受胎告知》の要素に似ている。

 

背景に切り立った山脈が描かれているが、普通なもっとなだらかな景色なはずなので妙に感じる。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Madonna_of_the_Carnation、2020年4月15日アクセス