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【作品解説】ジョージ・フロイド追悼壁画「BLM運動の起爆剤となったフロイド追悼壁画」

ジョージ・フロイド追悼壁画/ George Floyd Mural

BLM運動の起爆剤となったフロイド追悼壁画


グレタ・マクレイン、ゼナ・ゴールドマン、カデックス・ヘレラによるジョージ・フロイドの壁画。Artsyより。
グレタ・マクレイン、ゼナ・ゴールドマン、カデックス・ヘレラによるジョージ・フロイドの壁画。Artsyより。

作者 グレタ・マクレーン、ゼナ・ゴールドマン、カデックス・ヘレラら複数の芸術家
制作年 2020年5月28日
ムーブメント プロテスト・アートストリート・アート、BLM運動
場所 ミネソタ州ミネアポリス東38丁目&シカゴ・アベニュー

《ジョージ・フロイド追悼壁画》は、2020年5月28日、グレタ・マクレーンやゼナ・ゴールドマン、カデックス・ヘレラらによって制作されたストリート・アート。東38丁目&シカゴ・アベニューの角にあるコンビニエンスストア「カップフーズ」の壁に描かれている。

 

この場所は、ジョージ・フロイドがミネアポリスの警察官の膝で押さえつけられ死亡した殺害現場の近くである。

ジョージ・フロイドの肖像と彼の名前が描かれており、名前の中には抗議者が描かれている。また、背景には警察の横暴で亡くなった他のアフリカ系アメリカ人の名前が入った大きなひまわりが描かれている。イメージ下部にはジョージ・フロイドの言葉「I can't breathe」を癒やす目的で「I CAN BREATHE NOW」と書き換えられている。

 

この壁画は抗議者たちが被った悲しみの表れとなり、さらなる市民行動のための起爆剤となった。壁画の周囲には多くのアーティストたちが、人種差別との闘争における黒人コミュニティの物語を記録するためさまざまな飾りが設置され、壁画前にはBLM運動の象徴である黒い拳のパブリックアートも設置された。

 

なお、この壁画は黒人によってではなく、黒人を巻き込むプロセスなく白人とラテン系アーティストによって描かれたものであるため「これは、社会正義擁護の枠組みの中で、黒人がいまだに取り残されていることを浮き彫りにしている」と批判的な声も上がっている。

 

現在、壁画のあることろには何千人もの訪問者が訪れ、「ジョージ・フロイド・スクエア」と名付けようとするキャンペーンなどの取り組みが行われ、黒人コミュニティの活動を絶やさないようにしている。