《Tu m’》は、1918年にマルセル・デュシャンによって制作された油彩作品。1913年の《チョコレート磨砕器 No.2》から5年ぶりに描いた油彩作品であり、デュシャン最後の油絵。これ以降、油絵は描いていない。この作品はデュシャンがそれまでしてきたことの集大成として、カタログの形で、視覚化されている。
デュシャンの後援者であるキャサリン・ドライヤーの書斎の本棚の上の空間を埋めるために依頼された作品のため、横長になっている。
横長の画面いっぱいに3つのレディ・メイド作品《自転車の車輪》《コルクの栓抜き》《帽子掛け》の影が描かれている。この影は実際にキャンバスの上へレディ・メイドの影をうつし、その形のとおりに丹念に鉛筆をなぞったものである。