【美術解説】アール・ヌーヴォー「自然と調和したライフスタイルを目指す新しい芸術」

アール・ヌーヴォー / Art Nouveau

自然と調和したライフスタイルを目指す新しい芸術


概要


アール・ヌーヴォーは、1890年から1910年にかけてヨーロッパ全体で人気を博した国際的な芸術運動。特に家具、ファッション、建築、工芸品、グラフィックデザインなど装飾芸術として発展した。

 

英語ではフランス語名「Art Nouveau」から『new art(新しい芸術)』と呼ばれるが、国によって呼び方は異なる。花や植物の自然に見られる形状や構造、および緩やかな曲線に影響を受けているのが共通した表現方法で、当時の芸術家たちは自然環境との調和を試みようとしていた。

 

アール・ヌーヴォーは、総合芸術とみなされ、絵画や彫刻といったファイン・アートのみならず、建築、グラフィックアート、インテリアデザイン、ジュエリー、家具、テキスタイル、食器、照明などありとあらゆるメディアにおいて適用可能な美術様式である。シュルレアリスムと同じく視覚美術であれば、ほぼ全領域おいて適用可能な美術様式であるのが特徴である。

 

アール・ヌーヴォーの芸術哲学は「芸術はライフスタイル」という。そのため当時の多くの裕福なヨーロッパ人は、アール・ヌーヴォー風の家具や家を購入し、銀製品、織物、食器、シガレットケース、セラミックなどありとあらゆるアール・ヌーヴォー様式の生活品をそろえた。

 

アール・ヌーヴォーは20世紀初頭に最高潮に達し、装飾芸術の主役をアール・デコにゆずり、第二次世界大戦後はモダニズム・機能主義の時代にはアール・ヌーヴォーは流行遅れの様式となり、忘れられたが、1960年代にまずコレクターたちの間で再燃が始まり、1970年代になると研究所の出版と企画展の開催が始まった。

作家


画家・グラフィックデザイナー


ウィジェーヌ・グラッセ
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アルフォンス・ミュシャ
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グスタフ・クリムト
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アレクサンドル・スタンラン
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オーブリー・ビアズリー
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ファッションデザイナー

ココ・シャネル
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