【美術解説】ウォルター・コナルド・アレンズバーグ「デュシャン作品の大コレクター」

ウォルター・コルナド・アレンズバーグ / Walter Conrad Arensberg

マルセル・デュシャンの最大のコレクター


ウォルター・コルナド・アレンズバーグ(1878年4月4日-1954年1月29日)は、アメリカの富豪、アートコレクター、批評家、詩人。妻のルイーズもまたアレンズバーグのと同じくコレクターとして有名で、二人あわせてアレンズバーグ夫妻と表記されることがあります。

 

夫妻はマルセル・デュシャンの生涯のパトロンであり、最もデュシャンの作品をコレクションしていたコレクターとして有名です。実際にデュシャンとはかなり親密な関係があり、1915年の夏に夫妻がコネチカット州にある別荘で休暇をとっている間、デュシャンはアレンズバーグ夫妻のアパートで居候をしていたようです。

 

ロサンゼルスに転居後、ウォルターはロサンゼルス美術協会、ロサンゼルスカウンティ美術館、南西博物館の委員などさまざまな美術委員会の役員を務め、1946年にマックス・エルンストとドロテア・タニング、マン・レイとジュリエット・ブラウナーの合同結婚式のときにはアレンズバーグ夫妻の豪邸が会場として貸し出しもしました。

 

913から1950年の間に夫妻は、デュシャンをはじめジャン・メッツァンジェ、チャールズ・シーラー、ウォルター・パッチ、ベアトリス・ウッド、エルマー・エルネスト・サウスドールなどの近代美術家の作品を収集しました。ほかに先コロンブス期(白人が入植する以前のアメリカ)のアメリカ芸術も収集しています。アレンズバーグ夫妻が収集した1000点以上の重要作家の作品の多くはフィラデルフィア美術館に収蔵されており、その中にはデュシャンの「大ガラス」と「遺作」などの代表作が含まれています。

 

<参考文献>

Wikipedia-Walter Conrad Arensberg