カテゴリ:耽美主義



【作品解説】グスタフ・クリムト「パラス・アテナ」
作品解説 · 05日 1月 2023
《パラス・アテナ》は、1898年にグスタフ・クリムトによって制作された油彩作品。75 × 75 cm。ウィーン歴史博物館が所蔵している。 クリムトのアテナ像は、《ユディト》(1901年)や《ダナエ》(1907-8年)のような女性のセクシュアリティを賛美するように描かれた作品と異なる。 この作品では女性のセクシュアリティは抑えられ、力強い女神、強さと勇気のある女性、伝統的に男性的な資質を持つ女性が描かれている。 アテネは、片方の手で槍の柄を握り、反抗的な姿勢で私たちの前に現れる。彼女は、安定した鋭い視線で鑑賞者を見つめてくる。
【美術解説】グスタフ・クリムト「ウィーン分離派の創設者」
アーティスト一覧 · 05日 1月 2023
グスタフ・クリムト(1862年7月14日-1918年2月6日)はオーストリアを代表する画家、ウィーン分離派の創設者であり、代表的なメンバー。装飾芸術、絵画、壁画、ドローイング、オブジェなどさまざまなメディアで制作。中心となるモチーフは女性の身体で、率直なエロティシズム表現が特徴である。 滅亡前のオーストリア=ハンガリー二重帝国の首都ウィーンの頽廃的な雰囲気を、豊麗な女のイメージによって、もっとも見事に形象化したといわれる。ハプスブルグ家の支配するオーストリア・ハンガリー帝国の首都として独特な爛熟した文化を生み出してきた世紀末のウィーンは、支配的な社会階層が贅沢な饗宴にうつつをぬかし、病的に快楽を追求した時代だった。現在の日本を彷彿させるところがある。

【作品解説】グスタフ・クリムト「乙女」
作品解説 · 04日 1月 2023
《乙女》は、1913年にグスタフ・クリムトによって制作された絵画。現在、チェコ共和国プラハの国立美術館に保管されている。 クリムトは、少女のまわりにカラフルな模様のスカーフやガウン、花冠を散りばめ、雲のような空や雲のような形で女性の星座を作り上げている。 描かれている豊富な花は、女性への進化を象徴している。この絵には、交錯する7人の女性が描かれている。それぞれの女性は、特定のライフステージを表している。 中央の眠れる少女は、彼女を取り囲む女性たちのパッチワーク・キルトに象徴される夢の中で、将来の自己の可能性を空想しているのである。
【美術解説】オーブリー・ビアズリー「耽美主義と装飾芸術の融合」
アーティスト一覧 · 03日 2月 2022
オーブリー・ビアズリーは、耽美主義の中心的な芸術家の一人であり、アール・ヌーヴォーの創始者の一人として位置づけられている重要な人物です。ほかの画家たちが次々とそのスタイルを模倣し、日本でも多くの少女漫画でビアズリーの影響が見られます。本記事では、オーブリー・ビアズリーの芸術的な活動と、彼が残した作品を詳しく解説します。ぜひ、オーブリー・ビアズリーの素晴らしい芸術活動を学び、彼の作品を楽しんでください。

【作品解説】グスタフ・クリムト「ダナエ」
作品解説 · 21日 5月 2020
「ダナエ」は1907年から1908年にかけてグスタフ・クリムトによって制作した油彩作品。77cm✕83cm。現在、ウィーンのギャラリー・ヴュルトレが所蔵している。 モデルはクリムト作品でエミーレ・フレーゲに続いてよくモデルにされている“赤毛のヒルダ(Red Hilda)”という女性。彼女の詳細については分かっていない。ダナエとは、ギリシア神話に登場するアルゴスの王女の名前で、1900年前後に多くの芸術家たちの主題として扱われている。ダナエは愛の神の代表的なシンボルとして描かれることが多い。
【作品解説】グスタフ・クリムト「メーダ・プリマヴェージの肖像」
作品解説 · 21日 5月 2020
《メーダ・プリマヴェージの肖像》は1912年にグスタフ・クリムトによって制作された油彩作品。149.9cm✕110.5cm。メトロポリタン美術館所蔵。 モデルはクリムトやウィーン幻想派の大型パトロンだったオーストリアの実業家で銀行家のオットー・プリマヴェージの9歳の娘。 クリムトは本作を描く前に、彼女の異なるポーズや背景に関する膨大な数の予備スケッチを行っている。ほかの女性ポートレイトと比べて装飾模様が少なく、輪郭線を中心に質素に描かれているのが特徴。これは、金を多用し装飾性に力を入れていた「黄金時代」が終了し、フォーヴィズムの影響が強い時期に移行したためである。

【作品解説】グスタフ・クリムト「ヘレーネ・クリムトの肖像」
作品解説 · 22日 6月 2019
「ヘレーネ・ルイズ・クリムトの肖像」は1898年にグスタフ・クリムトによって制作された油彩作品。60cm✕40cm。スイスのベルン美術館が所蔵している。 ヘレーネ・クリムトはクリムトの姪にあたる。弟エルンストの娘である。弟のエルンストは1891年にヘレーネ・フレーゲと結婚、その年の7月28日にヘレーネが生まれる。しかし翌年1892年にエルンストが急死すると、クリムトは残された母子を預かる身となり、ヘレーナの法律上の保護者となった。 この作品はヘレーナが6歳のときに描かれたもので、1903年の分離派展で作品が展示された。絵の構図は耽美主義のホイッスラーの影響を受けていると思われる。
【作品解説】グスタフ・クリムト「ベートーヴェン・フリーズ」
作品解説 · 12日 6月 2019
《ベートーヴェン・フリーズ》は1901年にグスタフ・クリムトによって描かれた壁画作品。縦7フィート(約2m)、横幅は112フィート(34m)もあり、重さは4トン。現在、分離派ビルディングの気温管理ができる地下室で常設展示されている。 1901年、オーストリアの作曲家ベートーベンに焦点をあてた第14回ウィーン分離派展示会を開催。《ベートーヴェン・フリーズ》はこの展示会のために描かれたものである。当時ほかに注目浴びた作品はマックス・クリンガーのベートーヴェンの彫刻作品である。 作品はベートーヴェン第九交響曲にもとづいており、3つの部分に分かれている。「幸福への憧れ」(左の壁)に続き、「敵対する勢力」(中央の壁)、そして「歓喜の歌」(右の壁)が描かれており、それらがホールの3つの壁面の上半分にフリーズ状に連なるよう構成されている。

【作品解説】グスタフ・クリムト「水蛇Ⅱ」
作品解説 · 11日 6月 2019
《水蛇Ⅱ》は1904年にグスタフ・クリムトによって制作された油彩作品。80 x 145 cm。 ロシアの実業家ドミトリー・リボロフレフが、2013年にスイスの画商イブ・ブヴィエから1億8380万ドルで購入した作品で、現在個人蔵扱いとなっている。 クリムトの最盛期の作品の1つと見なされている。芸術における水中生物との関わりは、クリムトのような象徴主義の傾向のある作家にとって、人間への未知で超越的な宇宙を表現する方法の代表的な方法の1つだった。 また、クリムトは本作で国よる検閲を恐れず、官能的な文脈で女性の身体を可能な限り表現してみせた。 本作品におけるクリムトの装飾的な独創性は近づきがたい位置にあり、また平面的な装飾の美しさはこれ以上視覚化できるものではない。
13日 8月 2018
耽美主義(または唯美主義)は、社会や政治を主題にすることを重要視する美術よりも、「美とは何か」「どのようなものが美しいのか」といった美学の方に価値観を置く芸術運動である。また、作品内に深い意味や意図を含ませたり解釈することより、もっと表層的な美に価値観を置く。...