ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット(1898年11月21日-1967年8月15日)はベルギーの画家。シュルレアリスト。
ある物体が、現実的にはありえない場所に置かれていたり、ありえないサイズで描かれる手法デペイズマンをたくみに利用するシュルレアリスト。
初期はエロティシズムや女性を主題とした作風だったが、1930年代以降になると、ほかのシュルレアリストに比べて内面的な表現はかなり抑制され、「白紙委任状」のような錯覚を取り入れただまし絵作品や、「イメージの裏切り」のような哲学的要素の高い理知的な表現が際立つようになる。
そのため哲学者のミシェル・フーコーをはじめ、多くの美術関係者以外の知識人にも人気が高い。また、具象的でインパクトが強い絵画でもあるため、サルバドール・ダリ同様、のちのポップカルチャーへの影響も大きい。
シュルレアリスムのリーダー、アンドレ・ブルトンと対立があったものの、生涯シュルレアリスムの表現思想には忠実。またポップ・アート、ミニマル・アート、コンセプチャル・アートなどアメリカ現代美術に大きな影響を与えている。