ポール・デルヴォー(1897年9月23日-1994年7月20日)はベルギーの画家。シュルレアリスティックな女性ヌード画でよく知られている。
ジョルジュ・デ・キリコの形而上絵画やルネ・マグリットのデペイズマンなどの絵画表現に影響を受け、シュルレアリスム運動に参加。パリやアムステルダムで開かれた『国際シュルレアリスム展』に参加する頃から、一般的にシュルレアリスムの作家として知られていくようになる。
ただしデルヴォーは、当時政治色の強かったシュルレアリスムグループと、同じ政治運動を推進する熱烈な同士として積極的な関わりをもつことはなかった。デルヴォーは極めて私的に表現を楽しんだ。
デルヴォーの絵の中に描かれるいつも同じ顔女性は、母親によって強引に引き離されたタムである。デルヴォーは母親の呪縛に苦しみながら、タムの亡霊をひたすら描き続けていた。
そして絵画表現を通じた「タムの王国」の創造が目的だったのである。