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【作品解説】バンクシー「アート・バフ」

アート・バフ / Art Buff

潰されたグラフィティを鑑賞する女性


※1:バンクシー《アート・バフ》
※1:バンクシー《アート・バフ》

概要


作者 バンクシー
制作年 2014年
メディウム ステンシル

《アート・バフ》は、2014年にバンクシーによって制作されたグラフィティ作品です。イギリスのフォークストンにある壁に描かれており、バンクシーによれば「フォークストーン・トリエンナーレの一部のようなもの」だということです。

 

作品名の「buff」とは、グラフィティ業界のスラングで「化学薬品やその他の器具で塗りつぶされたグラフィティ作品」または「グラフィティを消す人たち」のことを意味します。

 

本作品では、ヘッドフォンをつけた女性が台座をじっと見つめており、描かれた台座の上には塗りつぶされたグラフィティの跡が残っています。

 

2014年10月13日に報告されたところによると、描かれてから2週間後に何ものかによって台座の上にペニスが勝手に描かれ、作品が改ざんされたそうです。

 

2014年11月上旬、バンクシーのプライマリー・ギャラリーの画商であるロビン・バートンは、壁の所有者からの要求により、バンクシーの「アート・バフ」を取り外し、ジミー・ゴードン・メモリーで開催されるがんの慈善団体への支援目的で、作品を売買することを発表しました。

 

2014年11月27日、作品はアートバーゼル・マイアミで売り出された。

 

2015年9月11日、イギリスの裁判所は、この作品は公有財産でとして、フォークストーンに返還するよう求めた。計画では2018年に新設されたる建物の一部として本作品を展示すると発表している。

 

2020年、クリエイティブ・クォーターのイベント「The Plinth」の一環として、ついにフォークストンに戻ってきた。

※2:台座の上にペニスが描かれ改ざんされた「アート・バフ」
※2:台座の上にペニスが描かれ改ざんされた「アート・バフ」