【作品解説】ミロ・モアレ「青いモーリシャス」

大自然と裸体のダブルイメージ


概要


《青いモーリシャス》は2015年にミロ・モアレによって制作されたコンセプチュアル・アート。絵具が詰まった卵を膣から落下させ、飛散した絵具で作品を制作する「プロップ・エッグ」シリーズの最新作。

 

インド洋に浮かぶモーリシャス島の優雅な自然から影響を受けて制作したという。

 

ミロ・モアレは、モーリシャス島南部にある自然生成されたけわしい崖の上に立ち、「プロップ・エッグ」を膣にはさみ、下に置いたキャンバスに向かって落下させる。

 

キャンバス上には青と緑の美しい絵具の旋律で生成された抽象画ができる。それは同時にモーリシャス島の理想的なイメージでもある。

 

モアレはモーリシャス島の優雅な夕焼けをバックにして、産卵するかのように「ウ〜ッ!」と声をあげる。できた作品はモアレ自身のポートレイト作品でもある。

 

モーリシャス島の自然に溶け込んだヌード・パフォーマンスは卑猥性もなく、また古典的なヌード絵画のような聖性もない。そこにあるのはただ「プリミティブ」だ。