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【注目のアーティスト】ミロ・モアレ「アートとポルノの境界線上にいる現代美術家」

ミロ・モアレ / Milo Moiré

アートとポルノの境界線上にいる現代美術家


概要


生年月日 1983年5月7日
国籍  スイス
活動場所 ドイツ、スイス、フランス
表現スタイル パフォーマンス・アート、フェミニズム、ポルノ
パートナー P.H.Hergarten(撮影、編集、サイト更新など)
公式サイト http://www.milomoire.com

ミロ・モアレ(1983年5月7日生まれ)はスペイン・スロべニア系の両親を持つスイスの現代美術家、モデル。スイス在住だが、おもにドイツのデュッセルドルフを基盤に芸術活動をしている。

 

スイスのベルン大学で美術と心理学を専攻し、マグナ・クム・ラウデ(成績上位者)を受賞して卒業している。《PlopEgg》《The Script System No.2》《Mirror Box》などのパフォーマンス・アート作品がよく知られている。

 

2013年ごろから公共空間でのヌード・パフォーマンスで注目を集めはじめる(正式には2007年から活動している)。2015年の「アート・バーゼル」でゲリラ的に現れてヌード・パフォーマンスを行い、話題を呼んだ。

 

モアレは自身の芸術の立ち位置について、意図的にアートとポルノの境界線上にあると主張している。彼女のウェブサイトで「無修正」と記載された動画は有料で視聴することができる。

 

モアレは芸術に制限はないべきもので、唯一受け入れる制限があるとしたら「死」とはなしている。モアレはマリーナ・アブラモビッチヨーゼフ・ボイスから影響を受けている。

略歴


幼少時のモアレは、人形で遊ぶよりも絵を描くことのほうが好きだったという。7歳のときに彼女が誕生日プレゼントとしてもらった大きなクレヨン箱以来、特に欲しいものはなくなったという。

 

クレヨン箱をもらってからモアレは、人間を観察し、人間を理解し、人間の心理を察すること、心理学的な方向に関心を強め、それらをイメージとして表現する方向へ進んだ。

 

「私はいつも普通ではない事に関心を持っていました。私は観察することが好きです。こどものとき内向的でなじめず、学校ではいつも"不適格者"でした。私が好きなのは子どもたちで、私にとって子どもたちは虹のように見え、天国に近い存在です。」

 

若いときにモアレは、エドヴァルド・ムンク、ケーテ・コルヴィッツ、マリア・ラスニック、フリーダ・カーロフランシス・ベーコンH・R・ギーガーから影響を受けておもに男性の絵を描きはじめた。

 

その後、モアレは一貫して人間と人間の知覚に焦点を置き、スイスのベルン大学で神経と知覚心理学を学ぶ。心理学の学位を取得し卒業したあと、彼女は自分自身の身体を通して心理学知識を美術的表現に変換することを考えたいう。

 

2006年、スペイン領カナリア諸島に属する島テネリフェ島に滞在していたとき、モアレはふとラジオ放送で聞いたマリーナ・アブラモヴィッチのインタビューに感銘を受ける。アブラモヴィッチの言葉に聞き入り、彼女のアーティストとしての勇気とパフォーマンス・アートに魅了された。

 

アブラモヴィッチとは異なりモアレは、芸術に積極的にポルノ・コンテンツを取り入れるようになる。このあたりはポール・マッカーシー、キャロリー・シュニーマン、ヴァリエ・エクスポートといったパフォーマンス・アーティストの作品や「ロスト・ガール」の著者アラン・ムーアの漫画の影響が大きいという。

 

ミロ・モアレは、ペーター・パルムとして知られる写真家のP.H.Hergartenと同棲しており、モアレは彼のミューズでもある。型にはまらないアーティスト同士でともに活動しており、2005年から2014年までのミロ・モアレに焦点を当てた大規模なヌード写真シリーズを産みだしている。

作品解説


プロップ・エッグ No.1


最も有名な作品は、2014年の「アート・ケルン」で行われたパフォーマンス「プロップ・エッグ No.1」で、膣から落ちた卵でキャンバス上に絵を描く。ミロ・モアレのパフォーマンスで最もよく知られているものである。

 

卵の中にはインクやアクリル絵具が含まれており、膣で割って卵の中身を落下させ、飛散した絵具が抽象作品を生成する。ジャクソン・ポロックのドリッピングの流れを組むフェミニン・アクション・ペインティングで、彼女の作品は抽象表現主義に相当するといわれている。

 

さらに、できあがった作品のキャンバスを2つ折りにして、シンメトリーな構図の抽象画を生成。そこには偶然にも子宮の絵が現れたという。

 

彼女のトレードマークであり卵は、「誕生」「新世界」「革命」などを象徴しているという。

生成された抽象絵画を二つ折りにすると、なんと偶然にも子宮の絵に!
生成された抽象絵画を二つ折りにすると、なんと偶然にも子宮の絵に!

スクリプト・システムNo.2


次に有名なのが、2014年6月にアート・バーゼルに現れて公開された「スクリプト・システム No. 2」。ボディペインティング作品で体に「シャツ」や「ジャケット」など衣服の名前を描いて街をウロウロするハプニング・アートである。アート・バーゼルの展示会場に入ろうとしたが拒否された。なお、2013年5月に「スクリプト・システム No. 1」が公開されている。以下の動画はNo.1である。

スクリプト・システムは、認知心理学のスキーマ理論をもとに考えたパフォーマンス・アートだという。

 

モアレは「私たちはみな繰り返し定型化され記憶化された行動様式「スクリプト」を身につけ、日常生活を送っている。特に早朝、仕事中は私はほぼ自動的にスクリプトに基づいた動作をしており、多くの場合、周囲の環境に気づいていない。こうしたスクリプト的な日々を打ち破るパフォーマンスをしたかった」と話している。

 

モアレは衣服の外殻がなくなると、人間の身体は金、ファッション、イデオロギーさらには時間さえも気を散らすことなくコミュニケーション能力を取り戻すと主張している。

 

彼女の最初のヌードパフォーマンスは2007年であり、それ以来彼女は正真正銘の鑑賞者が直接体験できるヌード・パフォーマンスを行っている。

 

2015年7月、モアレはパリのエッフェル塔の前で観光客ととともヌード・パフォーマンスを実行して逮捕された。

 

2016年、モアレはドイツで発生した2015年新年同時性暴力に抗議するヌード・パフォーマンを実行して話題をあげた。

ミラー・ボックス


『ミラー・ボックス』は、腰に鏡構造になっているオブジェを付けて、ヨーロッパのさまざまな都市を歩きまわる企画である。

 

モアレはメガホンを使って人々を集め、見知らぬ人たちに腰に付けている箱の中に手を入れるよう促した。箱の中に手を入れると30秒間だけで彼女の胸、または女性器を直接触ることができた。

 

2016年夏、アムステルダム、デュッセルドルフ、ロンドンなどの主要都市でパフォーマンスは実行された。

 

ロンドンでは公演中に警察に逮捕される。750ポンドの罰金、85ポンドの費用と75ポンドの犠牲者のための追加料金を支払うよう命じられた。

 

このパフォーマンスは1968年から1971年にかけて行われた女性美術家ヴァリー・エクスポートの 《Touch and Tap Cinema》とよく似ている。 

そのほかの作品


「裸の自撮り」
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「ブルー・モーリシャス」
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「裸の自撮り」シリーズ in NRW-Forum美術館
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ケルンでの大量女性暴行事件への抗議
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