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【作品解説】マックス・エルンスト「カプリコン」

カプリコン /  Capricorn

エルンストの代表的な彫刻作品


マックス・エルンスト《カプリコン》,1947年
マックス・エルンスト《カプリコン》,1947年

概要


作者 マックス・エルンスト
制作年 1947年〜75年
メディウム ブロンズ
所蔵者 ナショナル・ギャラリー

《カプリコン(山羊座)》は、1948年〜75年にかけてマックス・エルンストが制作した彫刻シリーズ。マックス・エルンストの彫刻作品の集大成であり、アリゾナ州セドナ時代からの何度か作られている偉大な記念碑的な彫刻シリーズ。

 

エルンストは本作品で、王と女王を描いている。王はギリシャ神話の羊飼いと群れの神であるパンで、ヤギの角を持ち、人間の胴体と腕を持ち、かぎ針を持っている。

 

1947年のオリジナルのセメントと鉄くずで作られたバージョンは、エルンストと彼の妻であるドロテア・タニングが1946年にセドナに建てた小さな家の外に設置された。家の保護者としての役割を果たしているという。

 

その後、1964年に6体ずつブロンズで鋳造され、1975年に2体ずつ鋳造されるなどいくつかのバージョンがある。

 

カプリコンは十二支の一つで、通常、魚の尾を持つ山羊で表現される。しかし、エルンストは、山羊座の属性を、角のある男性と人魚の2つの人物に分けた。

 

エルンストの他の彫刻作品から、主役の二人は玉座に座る一般的な王と王妃であることが確認できる。

 

エルンストはカプリコンを家族の肖像と呼んだと伝えられている。夫妻の間に子供はいなかったが、2匹の犬を飼っていた。そのうちの1匹が、王の膝の上で長い舌を垂らしている動物をイメージしたものだと思われる。

 


■参考文献

https://www.nga.gov/collection/art-object-page.57105.html、2021年12月18日アクセス