【美術解説】大友克洋「郊外風景とサイバーパンク」

大友克洋 / Katsuhiro Otomo

アジアの郊外とサイバーパンクの融合


概要


大友克洋(1954年4月14日生まれ)は日本の漫画家、映画監督、映画脚本家。代表作は漫画作品の『AKIRA』とそのアニメ版『AKIRA』。大友はのちに多くのアーティストやアウトサイダーの両方に影響を与えた。


アジアの郊外風景と未来的なサイバー・パンクの世界を融合した作風が特徴。チンピラヤクザ、赤ちゃんを連れた若い夫婦、肉体労働者、バーテンダー、新興宗教に熱狂する人々など、大友が子どもの頃から東京の郊外のアパートで過ごしたときに見た風景が作品によく現れる。


また一方で、大友はアメリカン・ニューシネマの影響が強く、ロックやジャズ、ドラッグといった文化背景も色濃く作品にあらわれている。


映画『AKIRA』は日本だけでなく欧米でもヒット。2005年にフランス芸術文化勲章のシュヴァリエ章を授与、2014年に芸術文化勲章オフィシェに昇格、2012年にアメリカの名誉ウィル・アイズナー賞でコミックの殿堂入り。2013年 日本国政府から紫綬褒章を受章。