パブロ・ピカソの作品一覧
20世紀最大の天才芸術家、パブロ・ピカソ。彼の生涯を追い、膨大な作品群を紐解くことで、私たちは彼がいかにして芸術の枠組みを変革し、新たな時代を切り開いたかを知ることができます。このデータベースでは、青の時代からキュビスム、そして平和への祈りに至るまで、ピカソの創作の旅路を徹底解剖。

ピカソのプロフィール
パブロ・ピカソは、20世紀の芸術界に最も多大な影響を与えた天才的な画家、彫刻家、版画家、陶芸家です。キュビスム運動の創設者であり、アッサンブラージュ彫刻の発明やコラージュの再発見など、彼の芸術スタイルは幅広く革新的でした。
代表作には、キュビスムを象徴する『アヴィニョンの娘たち』(1907年)や、スペイン市民戦争の悲劇を描いた『ゲルニカ』(1937年)が挙げられます。
ピカソの作品は生涯を通じて多様な時代に分類され、特に『青の時代』(1901-1904年)、『ばら色の時代』(1904-1906年)、『アフリカ彫刻の時代』(1907-1909年)、『分析的キュビスム』(1909-1912年)、『総合的キュビスム』(1912-1919年)が有名です。
その影響力は美術界を超え、文化や歴史にも深く刻まれています。2015年には『アルジェの女たち』がオークションで約1億7900万ドル(約215億円)で落札され、史上最高価格を記録しました。このことからも、彼の作品が現在でも高い価値と人気を持ち続けていることが伺えます。
ピカソは、創造性と革新性を兼ね備えた、20世紀を象徴する巨匠として今なお輝き続けています。(パブロ・ピカソの生涯に関してはこちら)
オークション高額作品
『アルジェの女』は1954年から55年の冬にかけて制作された油彩作品。1954年から1963年の間にピカソは古典巨匠のオマージュとなる連作をいくつか制作しています。2015年5月11日にニューヨークのクリスティーズで競売にかけられ、約1億7900万ドル(約215億円)で落札されました。(続きを読む)

『ドラ・マールと猫』は2006年5月3日のサザビーズの「モダニズム/印象派」のオークションで売りだされ、オークション史上最高価格を付けました。2012年版フォーブス世界長者番付では153位(資産64億ドル)のグルジアの富豪ビジナ・イヴァニシヴィリが,2006年に9520万ドル(108億円)で購入しました。(続きを読む)
代表作

『ゲルニカ』は、1937年6月に完成した壁画サイズの油彩作品。スペイン市民戦争に介入したナチスドイツやイタリア軍が、スペイン・バスク地方にある村ゲルニカの無差別爆撃した出来事を主題としています。(続きを読む)

『泣く女』は1937年に制作された油彩作品。ピカソは「泣く女」という主題に関心を抱き、その年に何度も同じテーマの作品を制作、100種類以上のバリエーションが存在しています。本作は「泣く女」シリーズの最後の作品で、最も完成度の高い作品とされています。(続きを読む)
『人生』は1903年に制作された作品。ピカソの「青の時代」の作品であり「青の時代」の集大成ともいえる傑作とみなされています。ピカソの「青の時代」(1901-1904年)は、薄暗い青や青緑で描かれた陰鬱な描写が特徴です。(続きを読む)

『老いたギター弾き』は、1903年後半から1904年初頭にかけて制作された作品。ボロボロの擦り切れた服を身につけ、やつれてうなだれた盲目の老人が、スペインのバルセロナの通りでギターの演奏を弾いている情景を描いた作品です。(続きを読む)

『パイプを持った少年』は1905年にパブロ・ピカソに制作された作品。ピカソの「ばら色の時代」の代表作の1つ。描かれているのは左手にパイプを持ったパリの少年で、頭には花輪を付けています。(続きを読む)

『アヴィニョンの娘たち』は、1907年に制作された大型の油彩作品。ニューヨーク近代美術館が永久所蔵しています。バルセロナのアヴィニョン通りに存在した売春宿にいた5人の売春婦のヌード画です。(続きを読む)

『鏡の前の少女』は、1932年に制作された油彩作品。ピカソの愛人で、1930年代前半におけるピカソの主要な主題の1つであるマリー・テレーズ・ウォルターを描いたものです。(続きを読む)

『おもちゃの舟を持つ少女(マヤ・ピカソ)』は、1938年に制作された作品。モチーフは娘のマヤ・ピカソ。苦痛や残酷性をテーマにすることが多いピカソですが、1938年に描かれた本作品はきわめて日常的な明るい作品であると思われます。(続きを読む)

『花と女性』は、1932年に制作された作品。1927年から影響を受け始めたシュルレアリスムの影響が色濃く反映された作品です。その後、長らくピカソの愛人となったマリー・テレーズを、女と花を重ねあわせて描いています。(続きを読む)

『母と子』は1921年に制作された作品。ピカソの新古典主義と言われるスタイルのころで、ドミニク・アングルの「オダリスク」やルノワールのヌード絵画からはっきりと影響を受けていました。(続きを読む)

『読書』は1932年に制作された作品。ピカソの愛人でミューズのマリー・テレーズ・ウォルターがモデルとなっています。膝の上に本を置いて椅子の上で裸姿でうたた寝しているテレーズの姿のです。(続きを読む)

『黒椅子の上のヌード』は1932年に制作された作品。モデルはマリー・テレーズ・ウォルター。ピカソによれば、マティスの官能的な曲線と、喜びを表現するためのピンクの肌を強調するためにマティスの黒を借りたと話しています。(続きを読む)

『女性の胸像(マリー・テレーズ)』は1931年に制作された彫刻作品。当時のピカソの愛人マリー・テレーズ・ウォルターを表現しています。2016年にアメリカの画商ラリー・ガゴシアンとカタール王室の間で所有権問題を起こした作品として知られています。(続きを読む)

『朝鮮虐殺』は朝鮮戦争におけるアメリカの軍事介入を批判した作品です。1950年に信川虐殺事件の虐殺事件を主題としており、《ゲルニカ》《納骨堂》《戦争と平和》《サビニの女たちの略奪》と並んで、ピカソ作品のなかでは政治メッセージの強い作品です。(続きを読む)

『マンドリンを弾く少女』は1909年から1910年にかけて制作された作品。ピカソの初期分析的キュビズムの代表的な作品。モデルはピカソの当時の妻フェルナンド・オリヴィエです。(続きを読む)
年代別
・人生,1903年
・老いたギター弾き,1903-1904年
・サルタバンクの家族,1905年
・アヴィニョンの娘たち,1907年
・マンドリンを弾く少女,1909-1910年
・母と子,1921年
・女性の胸像,1931年
・時計を付けた女性,1932年
・鏡の前の少女,1932年
・花を持つ女,1932年
・夢,1932年
・ヌード、観葉植物と胸像,1932年
・読書,1932年
・黒椅子の上のヌード,1932年
・泣く女,1937年
・ゲルニカ,1937年
・舟と少女,1938年
・ドラ・マールと猫,1941年
・朝鮮虐殺,1951年
・アルジェの女たち,1954-1955年
・シカゴ・ピカソ,1967年
ピカソの生涯から作品を考える

ピカソの生涯は挑戦と革新の連続であり、彼の作品はその時々の人生観や世界情勢を色濃く映し出しています。貧しい幼少期から始まり、青の時代、ばら色の時代、キュビスムの誕生、そして『ゲルニカ』に象徴される社会的メッセージ――ピカソは常に変化を恐れず、独自の視点で世界を表現し続けました。次のページでは、彼の人生と密接に結びついた数々の名作を通して、ピカソが何を見つめ、何を描こうとしたのかを紐解いていきます。