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【作品解説】バンクシー「ダイヤモンドと少女」

ダイヤモンドと少女 / Diamond in the Rough

古代エジプト美術との共通点が見られる作品


バンクシー《ダイヤモンドと少女》,2010年
バンクシー《ダイヤモンドと少女》,2010年

概要


作者 バンクシー
制作年 2010年
メディウム トラックのドアにスプレー塗装
サイズ 192.7 x 93 x 10.2 cm 
オークション 2022年5月10日クリスティーズ・ニューヨーク
見積もり 3,000,000~5,000,000米ドル
結果 3,660,000米ドル

クリスティーズは、2022年5月にニューヨークで開催される「21世紀イブニングセール」で、バンクシーによる2010年作「ダイヤモンドと少女」を出品すると発表しました。

 

この作品は、グラフィティとストリート・アートの初の大規模な美術館展「Art in the Streets」で2010年にロサンゼルス現代美術館で展示されたものです。

 

「ダイヤモンドと少女」は、バンクシーの代表的な作品の1つであり、その謎めいたイメージが世界的な注目を集めました。作品は、少女が風船の形をしたダイヤモンドを手にしている様子を描いたものです。このイメージは、現代社会において価値観が歪められていることを象徴していると言われています。

 

 「ダイヤモンドと少女」のオーナーは、展覧会直後にこの作品を購入し、以来、自身のコレクションに収めています。この作品は、多くの人々が興味を持ち、注目を集めることが予想され、クリスティーズにとっても高い評価を受ける作品の1つとなるでしょう。

古代エジプト美術との共通点


この作品には、エジプト美術に共通する要素が含まれていると専門家たちは指摘しています。

 

たとえば、縦長のパネル、絵画的な表現方法、そして少女の造形は、すべてエジプト文化において見られる特徴です。これらの要素があるため、この作品がエジプト美術に影響を受けている可能性が高いとされています。

 

さらに、この作品のパネル自体には楕円形の窓があり、これはカルトゥーシュを思わせます。カルトゥーシュは、エジプトのファラオに関する象形文字であり、王や妃の名前を囲む枠としても使用されていました。この窓は、カルトゥーシュによく似た形状をしており、エジプト文化とのつながりを強めています。

 

 

このようなエジプト美術の要素がこの作品に含まれていることは、芸術家が異なる文化のアートを取り入れることがあることを示しています。

 

また、異なる文化のアートを組み合わせることで、新しい芸術的表現を創造することができることも示しています。この作品は、エジプト美術と現代芸術が交差する点において、興味深い作品の一つといえるでしょう。

破壊されたバージョン


なお、本作品が制作された時期に、バンクシーはデトロイトを訪れており、同じモチーフをデトロイトの壁に描いています。

 

しかしながら、「ダイヤモンド・グリル」は、制作からわずか数日後に何者かによって破壊されてしまいました。

 

廃屋の石畳の壁に描かれた、宝石を手にした少女のシンプルな構図は、何者かによって撤去されようとしたため、最終的に消滅してしまったといわれています。


■参考文献

https://www.youtube.com/watch?v=HxbLb52f4E0、2022年4月27日アクセス

https://www.designboom.com/art/banksy-art-in-the-streets-at-moca-los-angeles/、2022年4月27日アクセス