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【作品解説】フリーダ・カーロ「ひまわりの中の自画像」

ひまわりの中の自画像 / Self-Portrait Inside a Sunflower

カールマルスクやひまわりと融合した最晩年期の自画像


概要


作者 フリーダ・カーロ
制作年 1953-1954年 
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 23.8×32.4 cm
所蔵 個人蔵

《ひまわりの中の自画像》は、1953年から1954年にかけてフリーダ・カーロによって制作された油彩作品。

 

ナショナリズムで共産主義者だったフリーダ・カーロは生涯を通じて政治運動に関与していたが、その政治色が美術にはっきりとあらわれるのは、彼女の人生の晩年期である。本作品は最晩年の作品のひとつで、フリーダの自画像だが、それはカール・マルクスを彷彿させる自画像になっている。

 

ライオンのような立派な髪とひげをたくわえ、台座のようなものの上で座禅を組んでいる。背景には山が描かれ、画面の左上に日輪が描かれている。自画像顔はしおれたひまわりとカール・マルクスをダブルイメージしているように思われる。ひまわりは太陽の動きと密接していることで知られるが、全体的には活気に満ちたエネルギーと感情的な強さを表している。

 

背景


晩年の彼女はひどい身体の痛みに苦しみ、膝下の切断など多くの手術を受け、寝たきりの状態だった。

 

しかし、困難をともないながらも彼女は美術制作に対して新たな目的を持っていた。彼女の伝記作家ラケル・ティボルは、彼女の言葉を次のように記録している。

 

「何よりも、それを変えて、何か役に立つものにするために。これまで私が描いたのは自分自身の忠実な肖像画だけだったのですが、それは私の絵が共産党に奉仕するためにできることからはほど遠いものだった。これからは絵がかけなくなるまで、善が共産党革命を助けることに向けられるように、私は全力で戦わなければなりません。それが生きる唯一の本当の理由です」

 

その後、彼女の作品は自画像を離れ、果物の静物画の中に平和を象徴する鳩が描かれるようになり、核戦争に関する悪夢を象徴するキノコ雲を描いた《1952年の平和人民会議》などの静物画を描いた。

 

鳩は彼女の晩年の静物画によく登場する。また、メキシコの旗や配色(旗の緑、白、赤を反映するためにスイカを使用)の点数が増えはじめ、カーロの作品はナショナリズムと共産主義を融合したようなシュルレアリスム具象画へと変貌する。

 

その後、彼女の政治色がより過激になってくると愛情のこもったスターリンの肖像画を描き始める。《マルクス主義が病気を治す》(1954年)や《フリーダとスターリン》(1954年)などの作品がよく知られている。

 

 

あるいは、おそらく彼女は人生の終わりが近づいていることを認識したのだろうか、この決定的で破壊的な行為を目撃したティボルは《ひまわりの中の自画像》の作品に対して「自己犠牲の儀式」と呼んだ。

《フリーダとスターリン》(1954年)
《フリーダとスターリン》(1954年)