フランシス・ベーコン(1909年10月28日-1992年4月28日)は、アイルランド生まれのイギリス人画家。激しく大胆な筆致と過激で生々しい表現で、鑑賞者に不安感や孤独感を与えることで知られる。
やや抽象的に描かれた人物画の多くは雑然とした平面的な背景で構成される。作品は金縁の額とガラスで額装され鑑賞者との間に「隔たり」を生じさせている。
20代初頭から絵を描き始めているが、30代なかばまで散発的な活動で、芸術的なキャリアはほぼなかった。絵描きとしての能力に自身が持てなかった若い頃のべーコンは、グルメ趣味、ホモセクシャル、ギャンブル、インテリアデザイン、家具デザイン、カーペットデザイン、浴室タイルデザインなど、さまざまな自身の中にある世界をさまよっていた。
のちにベーコンは、自身が一貫して関心を持てる主題を探すのに相当な時間がかかったことが、芸術家としてのキャリア生成が遅れた原因であると話している。