【美術解説】ミス・ヴァン「女流グラフィティ・アーティスト」

ミス・ヴァン / Miss Van

女流グラフィティ・アーティスト


概要


1973年、フランス・トゥールーズに生まれる。本名はヴァネッサ・アリス・ベンシモン。現代のグフランス・ラフィティシーンにおける最も有名な女性アーティストとして知られている。

 

彼女の女性キャラクター「プーピーズ」は、統一された釣り上がった鋭い目つきとバリエーション豊富なファッション、また子ども向けカートゥーン風の様式でもって成熟した女性のエロティックな肢体を描写するなど矛盾した要素が渾然一体としているのが特徴である。

 

ミス・ヴァンは、18歳のときにトゥールーズ・ストリートでの壁画(ウォールペインティング)で画家としてデビュー。フランスにおいてグラフィティシーンにおける作家性の強い落描きは、1993年にミス・ヴァンや彼女の相棒であるミス·キャットから生まれたと言われている。

 

ただ、ミス・ヴァンはトゥールズの豊富なグラフィックアートにおけるほんの一面だったが、彼女の作品がたぶん最も世界的によく知られ、称賛されている。現在はフランス、ヨーロッパ、アメリカなど世界中のギャラリーでキャンバス作品の展示をおこなっている。

 

公共の壁に描かれたエロティックで刺激的な女性の絵画は、フェミニスト団体から強い抗議を受けている。彼女はこの反発を受取るものの、彼女の絵は個人的なものであり、また芸術制度に対する批判である。「グラフィティアートは、お決まりでガチガチな美術制度に対するボイコットである」とヴァンはいう。

 

最近、彼女はスペインのバルセロナに移住し、有名ブランド「フォーネリア」のデザイナーとしても活躍している。