束芋 / Tabaimo
日常風景におけるモチーフをコラージュする映像インスタレーション作家
概要
生年月日 | 1975年生まれ |
国籍 | 日本 |
職業 | 現代美術家 |
表現形式 | 映像、インスタレーション、ドローイング、版画、絵画 |
束芋(1975年生まれ)は日本の映像インスターレション作家。現代美術家。
キッチン、サラリーマンなど現代日本の日常風景における象徴的なイメージをモチーフにして浮世絵のような手描き線画のアニメーション作品で知られる。
なお、アニメーションを使ったインスタレーション作品であり、映像作品やアニメーション作品とは異なる。映像を表現手段の中心にして周囲の空間にさまざまな演出をしかけるインスタレーションが束芋の基本的な表現方法である。
たとえば、2009年の作品《団地層》は、横浜美術館の個展にあわせて制作された作品だが、横浜美術館のエントランスに映写できるように制作されており、その作品内容は個展で紹介されるほかの作品のいろんな要素を凝縮したものでもある。
こうした表現のため、束芋は映像作家やアニメーション作家ではなく一般的に「現代美術家」として表記される。
束芋の代表作は第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2007年)で発表した《dolefullhouse》である。自身の内面、あるいは現代の日本社会に潜在する複雑な諸相を表象化した映像作品で国際的に注目を集めた。
略歴
兵庫県神戸市出身。本名は田畑綾子。父はサラリーマン、母は陶芸家で団塊世代で、束芋は団塊ジュニア世代ど真ん中にあたる。
3歳のときに大阪府へ移る。「束芋」という名前は本名の「田畑」と「妹」をかけあわせて作られている。幼少期に陶芸家の母に釣れられ展覧会をめぐり、美術に関心を持つようになる。
中学2年生のときに兵庫県へ転居。1991年に西宮市立西宮高等学校理数コースに入学。1994年、京都造形芸術大学芸術学部日本画コースを受験したが不合格。その後、京都造形芸術大学芸術学部情報デザイン学科に入学し、田名網敬一に師事する。
卒業制作の《にっぽんの台所》が学長賞を受賞し、また1999年のキリンコンテンポラリーアワードの最優秀賞を受賞。本作がデビュー作で、同時に日本において現代美術家として注目を集めるきっかけとなった。
近年はドローイングや版画、油彩画などの平面作品にも取り組み始める。