チョコレート磨砕器 No.1 / chocolate grinder,no.1
回転する磨砕器からインスピレーション
概要
作者 | マルセル・デュシャン |
制作年 | 1913年 |
メディウム | 油彩、キャンバス |
サイズ | 61.9 x 64.5 cm |
コレクション | フィラデルフィア美術館 |
《チョコレート磨砕器》は、1913年にマルセル・デュシャンによって制作された油彩作品。《大ガラス》の下半分の「独身者」の中央に描かれている《チョコレート磨砕器》の最初の作品。
デュシャンはルーアンのカルム街にあるチョコレート屋のウィンドウで、このチョコレート磨砕器を見て、突然、インスピレーションを感じて制作しはじめる。チョコレート磨砕器のドラムの回転する光景に魅了されたという。
回転する物体へのデュシャンの執着は、《自転車の車輪》や《ロト・レリーフ》でもよく知られているように、非常に性的な意味を含んでいる。
はじめのスケッチには、右側にモーターがあり、主軸にギヤが付けられているが、本作ではそれらは取りのぞかれている。台座はルイ15世様式の脚だが、これはおそらくデュシャンの誇りのようなものを象徴している。磨砕器の上に設置されている円形のものは、古風な円形ネクタイで、主軸は男根とみてよい。
■参考文献
・Philadelphia Museum of Art - Collections Object : Chocolate Grinder (No. 1)