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【作品解説】ジャン=ミシェル・バスキア「お金の鳥」

お金の鳥 / Bird on Money

ビバップ演奏者チャーリー・パーカーへのオマージュ


ジャン=ミシェル・バスキア《お金の鳥》,1981年
ジャン=ミシェル・バスキア《お金の鳥》,1981年

概要


作者 ジャン=ミシェル・バスキア
制作年 1981年
メディウム キャンバスにアクリルと油彩
ムーブメント 新表現主義
サイズ 170 cm × 230 cm
所蔵者 ルーベル・ファミリー・コレクション

《お金の鳥》は、1981年にジャン=ミシェル・バスキアが制作した絵画。

 

「バード」の愛称で親しまれていたジャズミュージシャン、チャーリー・パーカーへのオマージュ作品。本作品は1981年に購入したルーベル・ファミリーのコレクションの一部となっている。

 

ジャズ音楽はバスキアの芸術に共通するテーマであり、彼はしばしばジャズ音楽に合わせて絵を描いていた。

 

1985年、バスキアは『ニューヨーク・タイムズ』誌に次のように話している。「17歳の頃から、自分はスターになれるかもしれないと思っていた。自分のヒーローであるチャーリー・パーカーやジミ・ヘンドリックスのことを考えていた......これらの人々がどのようにして有名になったのか、ロマンを感じていたんだ」。

 

実際バスキアはパーカーのようにヘロイン中毒に苦しんでいた。また、《チャールズ・ザ・ファースト》(1982年)や《CPRKR》(1982年)などの絵画でもパーカーに敬意を表している。

 

《お金の鳥》には、パーカーのニックネームにちなんで、黒と青のヤードバードが描かれている。パーカーはキャリアの初期に「ヤードバード」というニックネームを与えられ、後に「バード」に短縮されている。

 

この絵の左下には、1988年にバスキアが眠ることになるブルックリンのグリーン・ウッド墓地が描かれていることで、未来の死を連想させる。

 

母親がプエルトリコ人だったバスキアは、グリーン・ウッド墓地の絵の向かいにある「PARA MORIR(死ぬために)」など、スペイン語の言葉を作品に取り入れることが多かったという。

 

2020年、ニューヨークのロックバンド、ザ・ストロークスがスタジオアルバム『The New Abnormal』のジャケットにこの作品を使用している。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Bird_on_Money、2021年12月9日アクセス