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【作品解説】サルバドール・ダリ「魚釣り」

魚釣り / Tuna Fishing

ダリ最後のマスター・ピース


概要


作者 サルバドール・ダリ
制作年 1966-1967年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 400 cm ×300 cm
コレクション プライベートコレクション

《魚釣り》は1966年から1967年にかけてサルバドール・ダリによって制作された油彩作品でダリの最後のマスターピース。

 

絵には激しい闘争をする複数の男性と大きな魚が混沌とした状態で描かれている。中央の男が持つ黄金のナイフを魚に突き刺すと、青い海が血で赤く変化する。

 

19世紀のフランス古典主義で戦争画を写実的に描いた画家ジャン=ルイ・エルネスト・メッソニエへの献呈的な作品である。ダリによれば、男たちと殺されている魚は宇宙を擬人化したもので、この世は定期的に、圧縮され、半狂乱的で、有限性の狭い空間へと変貌するという。

 

技術としてはシュルレアリスムが中心だが、ほかにもアクション・ペインティング、オプ・アート、ポップ・アート、サイケデリック、点描、タシスムなど、当時の現代美術や視覚芸術文化で流行していたさまざまな技法や、ダリの40年におよぶ画業で培われた技術が混合されている。