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【作品解説】マックス・エルンスト「ロプロプがロプロプを紹介する」

ロプロプがロプロプを紹介する /  Loplop Introduces Loplop

エルンストの作品に登場する鳥


マックス・エルンスト《ロプロプがロプロプを紹介する》,1930年
マックス・エルンスト《ロプロプがロプロプを紹介する》,1930年

概要


作者 マックス・エルンスト
制作年 1930年
メディウム 木製パネルに油彩
サイズ 100 x 180 cm
所蔵者 メンリル・コレクション

『ロプロプ』またはより正式には『鳥の父なる支配者ロプロプ』は、マックス・エルンストの作品で現れる鳥のようなキャラクター。 エルンストは鳥に魅了され続け、作品内でしばしばユーモラスな効果を出すように描かれる。

 

ウィリアム・ルービンはエルンストについて、「30年代の彼の成功した作品には、彼の分身である鳥の監督者ロプロプをテーマに1930年に始まったシリーズがある」と書いている。

 

絵画作品《ロプロプがロプロプを紹介する》(1930年)は、ガエタン・ピコンの著書「シュルレアリスムとシュルレアリズム 1919-1939」の表紙に使われている。

 

ロプロプは、エルンストのコラージュ小説『百頭女』や『慈善週間』に、語り手、および解説者の役割で登場する。その後、1930年代なかばまでのエルンストの絵画作品をはじめコラージュ、ミクストメディア作品に登場する。

 

ロプロプのイメージは固定したものではなく、非常に変化に富んでおり、同じ姿で描かれることはほとんどない。

 

一般的に(常にというわけではないが)、ロプロプは鳥の頭で、それは非常に抽象的で、しばしば鶏冠、とさか、肉すいを持つ鳥で、身体は正方形や長方形の空間(キャンバス、フレーム、イーゼル、壁)で、腕や脚はズーモルフや幾何学的な抽象的な形態になっている。

 

「身体」には、マックス・エルンストの芸術作品(コラージュ、フロッタージュ、絵画など)のイメージが提示され、他の作品と同等に、あるいは独立して機能している。

《The Fireside Angel》,1937年
《The Fireside Angel》,1937年

■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Loplop、2021年12月18日アクセス