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【作品解説】アンリ・マティス「緑の筋のあるマティス夫人の肖像」

緑の筋のあるマティス夫人の肖像 / The Green Stripe

マティスの最も有名な前衛ポートレイト


概要


作者 アンリ・マティス
制作年 1905年
メディウム キャンバスに油彩
サイズ 40.5 cm × 32.5 cm
コレクション コペンハーゲン国立美術館

《緑の筋のあるマティス夫人の肖像》は、1905年にアンリ・マティスによって制作された油彩作品。アンリ・マティスの代表作であり、20世紀初頭の前衛ポートレイト作品の代表。4現在はデンマークのコペンハーゲン美術館が所蔵している。

 

フォーヴィスムを代表する作品の1つで、伝統に縛られない色彩の自立、画家の感情が造形よりも強烈な色彩で表現されている。

 

顔の中央太い緑のすじが描きこまれており、顔の左右、背景の左右と上下は赤や緑を中心として黄、紫、紺などの原色の激しい筆使いで描かれている。明るい色と冷たい色を同時に強調して使うことにより、マティス自身、またはマティス夫人の内面を表現している。この絵が1906年にパリで展示されたときは、あまりにも理解不能な絵だっため嘲笑された。

 

モデルはマティス夫人ことアメリー・パレイルである。アメリーの顔は実際はこんな顔ではないが、アメリーの印象を説明するためにこのような表現になったという。マティス夫妻との結婚生活における困難が、非人間的で仮面のような表情にの一因となったと言われている。

 

マティスは作品について「こんな人に出会ったら私も逃げ出すだろう」と他人事のように話している。

画面中央がマティス夫人。左はマティス。
画面中央がマティス夫人。左はマティス。