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【作品解説】ジャン=ミシェル・バスキア「戦士」

戦士 / Warrior

アジアで落札された西洋美術品の中で最も高額な作品


ジャン=ミシェル・バスキア《戦士》,1982年
ジャン=ミシェル・バスキア《戦士》,1982年

概要


作者 ジャン=ミシェル・バスキア
制作年 1982年
メディウム 木製パネルにアクリル、オイルスティック
ムーブメント 新表現主義
サイズ 180 cm × 120 cm

《戦士》は、1982年にジャン=ミシェル・バスキアによって制作された絵画。2021年3月、香港のクリスティーズで4,180万ドルで落札され、アジアのオークションで落札された西洋美術品の中で最も高額な作品となった。

 

バスキアが《戦士》を描いた1982年は、彼のキャリアにとって節目の年だった。ニューヨークのアンニナ・ノセイ・ギャラリーでアメリカ初の個展を開催し、カッセルで開催されたドクメンタに史上最年少で参加した。

 

バスキアはのちに、彼の最も価値のある年とされる1982年に「史上最高の絵を描いた」と回想しており、現在最も高額で取引されるバスキア作品は1982年作である。

 

バスキアは、アンニナ・ノセイ・ギャラリーの地下にあるスタジオで、木製パネル上に《戦士》を描iいた。

 

黄色と青のパッチワークを背景に、威勢のいい剣闘士が剣を振りかざしている様子が描かれているが、ヴィットーレ・カルパッチョの《風景の中の若い騎士》(1510年)など、ルネサンス期の宮廷騎士の描写を彷彿とさせる。

 

《戦士》は、1983年に東京のアキラ・イケダ・ギャラリーで開催された展覧会で初めて公開された。

 

サザビーズでは2005年に180万ドル、2007年に560万ドルで落札されている。2012年、ドイツ系アメリカ人の不動産開発者で美術品コレクターのアビー・ローゼンが、サザビーズで870万ドルで購入した。

 

2021年3月、香港で開催されたクリスティーズのライブストリーミングオークションでは、4,170万ドルで落札され、アジアにおける西洋美術品の最高額としてオークションの新記録を樹立した。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Young_Knight_in_a_Landscape、2021年12月8日アクセス